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昭和の時代の巨大パンチ移植に対する修正術『FUTを用いた修正術』

Lesson 5. 過去に行ったLarge Punch植毛術の修正

50歳代後半:不自然な生え際と後方の脱毛進行部の修正。
巨大パンチ移植は、昭和時代に行われた直径4mm程度の円形グラフトを後頭部から採取して移植する方法です。
近年の毛穴単位の植毛術と比較すると、不自然な植毛術の方法で、現在このような植毛術が行わることはありません。
FUT:1200グラフト(最終グラフト数:1398グラフト)。

術前術後写真

【術前】
HN分類(➡ 男性のAGAのHN分類表をご参考ください。):3型。
AGA脱毛の進行が3型でストップしていることは、この方にとって幸運でした。術前写真を見てわかる通り、巨大パンチ移植部の後方は、2cm程度の脱毛進行で止っているのです。さらに脱毛が後方へ進んでいた場合、移植部はもっと不自然な状態で取り残されて、修正するためにさらに大量の移植術が必要になっていたでしょう。また、1回の植毛術で完了することもできなかったでしょう。

当院にカウンセリングにご来院される前は、他院にて後頭部は以前の多数のパンチ採取部があり、すでに醜く見えるためにFUTでは行わない方がよいと断られたようです。

さて、本題に戻ります。
今回の症例では、ご本人のご希望としては、”バラバラに生えていて隙間がある以前の植毛部を何とかしてほしい。この不自然に移植されている移植毛は残した状態で不自然さを修正してほしい。”というご希望でした。
移植部後方の脱毛進行部も不自然なため、ご本人はそれほど気にしていませんでしたが、不自然な状態で術後に目立ってしまうので、自然な程度に修正することとしました。

遺伝的素因:父が4型以外は不明です。
ドナーの状態:後頭部には、円形の大きなキズが80個程度見られました。
これは、FUEのキズの巨大版で、採取部がかなり制約されることになります。
術式の選択:ご年齢的に、FUEの適応は全くありません。この当たりはご自身もご理解されているようでした。ただし、FUTで行うにあたってても、たくさんの巨大円形瘢痕が後頭部のど真ん中に広範囲に見られるため、採取に制限が生じてしまいます。
FUEでも同様ですが、綺麗なドナー部分がなくなってしまっているのです。
したがって、FUTを行うに当たっても採取に限界があり、今回、FUTで植毛術を行う場合、1300グラフト程度が限界という算定でした。

【手術結果 - 術後6か月目と術後1年目】
術後結果を見てみましょう。
術後6ヶ月の段階で、発毛後に成長途中の短い移植毛が見られますが、巨大パンチグラフトはほぼぼやけた状態になっています。
さらに、1年目の結果を見ると、巨大パンチグラフトは見た目には、さらに分かり難くなっているのがわかります。

1年目の最後の検診にて、
”希望通りにしていただき、ありがとうございました。”
とのことで私も1回で修正術が完了できて良かったと思います。
過去の手術に対する修正術の場合、複数回手術を行って完了する場合も多いので、1回での終了は患者さんの負担の軽減になりました。

術後ドナー部

【ドナーのキズ - 術後1年目】
術後1年目のドナーのキズを見てみましょう。
縦割りで分け目を作った部分を見ると、巨大パンチによる円形の大きなキズが並んでいるのがわかります。
これに比べて、FUTのキズはわかりにくいと思います。ちょっと探して見てください。

(2023年8月 K. Yamamoto記)

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