FUEとFUTの選択に年齢なんて関係あるの?『年齢による植毛術(FUE or FUT)の術式選択!』
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グラフトの損失という観点から考えての分類すると、40歳以下では FUE が許容できる場合が多い。
しかし、年齢の上昇にしたがってグラフト損失は徐々に増加してきます。
一方、40歳以上では FUT / FUSS のドナーの線状のキズは綺麗に仕上がることが多くなってきます。
そのため、年齢が高いほど、FUE より FUT / FUSS が圧倒的に有利になってきます。

植毛術を行いたいと思った時に、FUEかFUT/FUSSのどちらを選択したら良いのか迷うことが多いと思います。
今回は、わかりやすいように簡単な図を用いて分類していきたいと思います。
なお、それぞれの利点や欠点は、【FUEについて ➡ 植毛術 FUE】と【FUTについて ➡ 植毛術 FUT】をご参考ください。
なぜ、同じ人であっても年齢によって変化してくるのでしょうか?簡単に理由を述べると、
「年齢が高くなるほど、頭皮は硬くなり、毛髪は細く脆くなる」ためです!
そのため、FUEでは採取時に毛髪は切断されやすくなり、綺麗なグラフトを採取できる確率はどんどん減っていくわけです。
つまり、切断毛自体が増えて、それらの切断毛は効果的な太い毛髪には戻らなくなり、結果的にグラフト損失が増加したことになります。
このような理由から、私はAGA脱毛の患者さんに対する術式の選択として、わかりやすいように、1つ目の図のようなアルゴリズム(手順)で患者さんに説明するようにしています。
- ◆軽度AGA(1〜4型)+ 40歳以下:
術前カウンセリングで、ドナーの状態が悪くない限り、FUEにチャレンジできる年齢です。
そして、1回目の FUE で損失グラフトが多い場合は、次回の植毛術では FUT / FUSS を選択するのがよいのです。 - ◆軽度AGA(1~4型)+ 40歳以上の場合:
可能性としては、40歳以上では損失グラフトは20%以上になる場合が増加してきますので、FUT / FUSS が推奨されます。
しかし、やはり1度は FUE をやってみないと、本当に自分自身にとって FUE が適しているか、適していないのかはわかりません。
このような場合は、Combo植毛術(FUE+FUT/FUSS)を選択してもよいかもしれません。この方法を用いると、小株数をFUEに割り当てることによって、FUEの適否がわかります。
あるいは、十分にリスクを承知の上で FUE を選択することも可能です。そして、初回の FUE で損失グラフトが多い場合は、次回の植毛術では迷いなく FUT / FUSS を選択することができます。
なお、注意していただきたいのは、他院で FUE を行った場合、切断率や損失率を評価していないことが多いので、事前にご確認していただくのがよいと思っております。
ただし、正確に切断率や損失率を算出することは、大きな労力と時間が必要なため、たとえ計測していないとしても、その施設が悪いというわけではないので、このあたりは間違わないようにしてください!

- ◆重度AGA(5~7型)+ 40歳以上の場合:
AGA脱毛もタイプ5型以上になると、1本の移植毛さえも無駄にしたくない状態です。
したがって、適切なクリニックでFUT / FUSSを行うのが確実となります。 - ◆補足:AGA脱毛の素因がなく、美容目的で植毛術を行う場合:
この場合は、FUE で行うことから考えます。
FUE を考慮した上で、ドナー部を剃毛したくない、ドナーの状態がFUEに適さない、などの要件があれば、FUT / FUSS を選択します。
次に、2つ目の図を見てください。AGAの脱毛のタイプによって、わかりやすく図示したものです。
ご自身の状態と照らし合わせて参考にしてください。
(2022年6月 K.Yamamoto 記)(2023年12月 K.Yamamoto 更新)(2026年5月 K.Yamamoto 更新)


